大分県の最低賃金1,091円に改定される見通し。
2026年度(令和8年度)の大分県の最低賃金は、現行の時給1,035円から61円(5.89%)引き上げられ、時給1,096円とする答申が2026年8月28日に大分地方最低賃金審議会から出されました。
今後は異議申出期間を経て正式決定され、2026年11月1日から適用される見通しです。
改定のポイント
- 改定後の金額: 時給1,096円(現行より+61円)
- 答申日: 2026年8月28日
- 効力発生日(予定): 2026年11月1日
- 引き上げ率: 5.89%
地方最低賃金審議会が都道府県労働局長に改定額を「答申」したあと、労働局長による「最終決定(官報公示)」を経て「発効」するまでの期間(例年8月中旬〜9月上旬頃) に、事業所が最優先で行うべき準備は「全従業員の賃金点検」と「人件費の仮試算」です。
答申された金額はまだ正式決定ではありませんが、例年ほぼ答申通りの金額で決定されます。この決定までの法的なグレーゾーンの期間を活かして、実務上以下の準備を進める必要があります。
1. 対象となる全従業員の賃金点検
パートやアルバイトだけでなく、正社員や契約社員を含むすべての従業員が、答申された新しい最低賃金額を下回っていないか確認します。
- 時給制: そのまま答申額と比較します。
- 月給制・日給制: 基本給などの対象賃金を時間額に換算します。「月給(または日給) ÷ 1か月平均所定労働時間」で算出した金額が答申額以上かチェックしてください。
- 除外手当の確認: 最低賃金の計算には、通勤手当、家族手当、精皆勤手当、賞与、時間外・深夜労働手当などは算入できません。これらを除いた「基本給+対象となる手当」で計算します。
2. 人件費の仮試算と予算確保
答申額を基準に、引き上げが必要な従業員1人あたり「何円の増額が必要か」を算出し、月間・年間の人件費増加額をシミュレーションします。
- 最低賃金ギリギリのメンバーだけでなく、その少し上にいるリーダー層などの賃金も引き上げないと「社内の賃金逆転(または格差縮小)」が起き、不満に繋がることがあるため、全体のバランスも考慮して試算します。
- ただし、この段階ではまだ確定ではないため、給与計算システムに新しい単価を確定登録してはいけません。
3. 各種規程・契約書の改定準備
最終決定(9月上旬頃) が出たらすぐに書き換えられるよう、社内書面の準備を進めます。
- 賃金規程・就業規則: 初任給の規定や、各等級の下限給与が最低賃金を下回る場合は改定案を作っておきます。
- 求人情報の見直し: ハローワークや求人サイトで募集中の時給・月給が、改定後の金額を下回らないよう、差し替えの準備をします。
- 雇用契約書の変更準備: 引き上げ対象となる従業員に対して交付する「労働条件通知書」や「雇用契約書」の雛形を用意します。
4. 助成金の活用検討
賃金引き上げに伴い、生産性向上のための設備投資などを行う場合、国の業務改善助成金(厚生労働省)などを活用できる可能性があります。
- 注意点: 多くの助成金は「賃金を引き上げる前(計画書提出時)」に申請・着手する必要があります。答申が出た直後のこの時期が、申請のタイミングを検討する最後のチャンスとなります。
⚠️ この期間にやってはいけないこと・誤解
- 答申日=適用日ではない: 答申が出たからといって、すぐに給与を上げる必要はありません。実際に新しい賃金が強制されるのは、10月以降に設定される「発効日」以降の労働分からです。
- 全国一斉ではない: 正式な決定額や「発効日」は都道府県ごとに異なります。複数地域に事業所がある場合は、必ずそれぞれの都道府県労働局が発表する公式情報を確認してください。

